平成22年度 広島市立袋町小学校 研究推進事項計画

1 学校教育目標
「よく考え、思いやりの心をもつ、元気な子どもを育てる。」

2 研究主題
  「言語活動を通して、自ら学び表現する、袋町っ子の育成」
   −各教科等の学習において−

3 研究の経過と研究主題の設定理由
平成19年度から、教科担任制の利点を生かした実践のための研究に加え、広島市教育委員会指定による研究開発校として、「日常生活に見られる様々な事象についてテキストから目的に応じて必要な情報を取り出し、各教科で身に付けた知識・技能や経験と関連づけて思考・判断し、自らの考えを適切に表現する力を育成する」ことを目標とする言語・数理運用科の研究・開発に取り組んできた。
この3年間の研究実践を振り返ると、各教科の授業や言語・数理運用科の取組を通して、私たちの願う思考力や判断力が育成されたと実感できる場面が増えてきたように思う。
しかし、研究を進めるうちに、課題も見えてきた。それは、自分の考えをもつことはできても、それを意欲的に発表しようとする児童が少ないということ。また、発表している児童の話を積極的に聞き、理解しようとする児童が少ないということである。昨年度までの研究実践から、話す力や聞く力の育成が新たな課題として浮かび上がった。
新しい学習指導要領においては、「話す力の育成や聞く力の育成については、言語力として、教科国語はもとより、すべての教科領域で育成していくものであり、新しい学習指導要領で育成すべき思考力・判断力・表現力の基盤となるものである。」と、言語活動の重要性を述べている。
そこで、本年度は、研究主題を「言語活動を通して、自ら学び表現する、袋町っ子の育成」、副題を「各教科の学習において」と設定し、各教科・領域を貫く言語活動の充実を一つの手がかりとして、自ら学び表現する子どもを育てる授業づくりに向け、研究・実践を進めていく。

4 研究の内容・方法
(1)各教科において言語活動を充実するための取組
@ 教科・領域ごとの特質をふまえた指導の充実
ア 算数科における言語活動の充実
・根拠を明らかにして筋道を立てて体系的に考えることや,言葉や数,式,図,表,グラフなどの相互の関連を理解し,それらを適切に用いて問題を解決したり,自分の考えを分かりやすく説明したり,互いに自分の考えを表現し伝え合ったりすることなどの指導を充実する。

イ 社会科における言語活動の充実
・観察・調査や資料活用を通して必要な情報を入手し的確に記録する学習、それらを比較・関連付け・総合しながら再構成する学習、考えたことを自分の言葉でまとめ伝え合うことによりお互いの考えを深めていく学習を重視する。

ウ 理科における言語活動の充実
・観察・実験において結果を表やグラフに整理し、予想や仮説と関係付けながら考察を言語化し、表現するなどの学習活動を充実する。
・科学的な言葉や概念を使用して考えたり、説明したりするなどの学習活動を充実する。
・観察・実験などの結果を分析し、解釈して自らの考えを導き出し、それらを表現するなどの学習活動を充実する。

エ 生活科における言語活動の充実
・活動や体験したことを振り返り、自分なりに整理したり、そこでの気付き等を他の人たちと伝え合ったりする学習活動を充実させる。
・新設された内容(8)「生活や出来事の交流では」
 ☆ 自分自身で体験したり活動したりして、感じたことや気付いたり分かったりしとこと、考えたこと、もっと知りたいと思ったことなどを伝え合い、交流する活動が行われるようにする。
☆ 情報が一方向ではなく、双方向に行き来する学習活動を重視する。
☆ 言葉による交流だけでなく、感情の交流も行われる学習活動を重視する。
☆ 伝えたいというよい思いや願いを児童が抱くよう、活動や体験を充実させる。

オ 音楽科における言語活動の充実
・鑑賞の指導においては、音楽の構造などを根拠として述べつつ、感じ取ったことや考えたことなどを言葉を言葉を用いて表す主体的な活動を重視し、楽曲の特徴や演奏のよさに気付いたり理解したりする能力が高まるようにする。
・合唱や合奏など全員で一つの音楽をつくっていく際には、表現したいイメージや思いを伝えなうなどの活動を重視する。

カ 図画工作科における言語活動の充実
・表現や鑑賞の活動においては、形や色彩、材料などの造形要素に注目させる。例えば、「どっしりとした感じ」を表現するために、「したから見上げた構図にする」「線を太くし強調する」「黒などの重たい感じの色を使う」など、画面の配置、形、線、色などを意識させる。
・「B鑑賞」にいいては「話したり、聞いたりする」「話し合ったりする」「説明し合ったり、批判し合ったりする」などの学習活動を位置付ける。

キ 体育科における言語活動の充実
・体育では、知識と技能を関連させて学習することにより知識の重要性を一層実感できるようにすること。
・保健では、知識を活用する学習活動を積極的に取り入れるなどの指導方法の工夫を行うことなどを大切にする。

A 授業実践と授業公開


(2)言語活動を充実させるための基礎的・基本的な知識・技能の定着に向けての取組
@ 読む力の向上・・・・・音読によって、語の意味や内容が伝わるように音読             することができるように、各教科で音読指導を行う。

A 書く力の向上・・・・・ワークシートやノートの指導をしたり、日記の指導をしたりすることにより、自分の思いや考えを書く機会を増やす。

B 話す・聞く力の向上・・国語科での「話すこと・聞くこと」の指導事項の明確化を行い,日々の授業で活用する。
































   @ 言語・数理運用科の研究開発に向けての取組

    ・ 言語・数理運用科の学習指導計画集の実践・検証
    ・ 言語・数理運用科の評価基準の作成
    ・ 言語・数理運用科の教材開発


   A 国語科・算数科の基礎・基本の力の定着に向けての取組

    ・ 国語科・算数科の帯学習の年間計画の作成


   B 担当専科教科(研究教科)の基礎・基本の確実な定着に向けた授業づくりの取組 

    ・ 教科取組(経営)計画の作成
    ・ 思考力・判断力・表現力を育てる授業実践
    ・ 教科の取組のまとめ(成果と課題)


   C 教科を支える力の育成

    ・ 朝読書の継続(読書に親しむ態度の育成)
    ・ 放課後学習の活性化(補充学習,宿題支援)
    ・ いきいき袋町っ子週間の取組(生活習慣,学習規律の育成)